反転授業(flipped classroom)は、授業前に教材で基本事項に触れ、授業中に問題解決や説明・議論などへ取り組む授業の組み立て方です。動画を見ることだけで成立するものではありません。英語学習に使う場合も、予習と授業中の活動をどうつなぐかが大切です。
覚えた英単語は、無料テストで確認できます。
一覧を読むだけで終わらせず、英検・TOEIC・大学受験の語彙をその場で復習しましょう。
無料英単語テストを開く
教育制度の関連解説:小学校の外国語活動・外国語科の学習内容
1.予習と授業の役割を組み合わせる
Vanderbilt大学のCynthia J. Brameによる解説は、事前教材として読書・動画・音声などを挙げ、授業中には教員や仲間の支援を受けて知識を使う活動を説明しています。紙の教材を使う設計も可能です。
出典:Vanderbilt大学:Cynthia J. Brame, Flipping the Classroom
| 段階 | 学習者がすることの例 | 教員が確認することの例 |
|---|---|---|
| 授業前 | 短い説明を読む・聞く。分かったことと疑問を記録する。 | 必要な教材を全員が使えるか、分量は適切か。 |
| 授業の始め | 短い問題に答え、どこで迷ったかを共有する。 | 共通する誤解があれば、説明を補う。 |
| 授業中 | 課題を解く、理由を説明する、相手の考えと比べる。 | 答えだけでなく、考え方や使い方に助言する。 |
| 授業後 | 指摘された点を直し、必要な項目を復習する。 | 目標に対して理解が進んだかを確かめる。 |
表は本記事で作成した授業設計の例です。授業をすべて話し合いに変える必要はなく、理解に応じて短い説明を加えることもできます。
2.期待できる利点と、成立するための条件
動画なら停止・再生、文章なら読み直しができるため、事前学習を自分のペースで進める助けになります。授業中には、答えを出す過程を教員が見たり、学習者同士で理由を説明したりする時間を確保する設計が考えられます。
ただし、教材を渡すだけで自主性や理解力が身につくとは限りません。Brameの解説も、事前課題への取り組みを促すこと、理解を把握すること、授業中に知識を使う活動を設けることを重視しています。「反転授業なら必ず成績や英語力が大幅に上がる」という保証ではありません。
3.うまく進まない原因と、調整の例
旧記事の参考にしたMike AcedoのTeachThought記事は、機器へのアクセス、事前準備、教材作成の負担などの利点・課題を論じています。以下は、その論点も踏まえて本記事で整理した対応例です。
出典:Mike Acedo:10 Pros And Cons Of A Flipped Classroom
| つまずきやすい点 | 調整の例 |
|---|---|
| 端末や通信を利用できない | 紙の資料、学校で使える端末、授業前に学べる時間などを用意する。 |
| 予習が終わらない | 分量、難しさ、使える時間を確認し、取り組まなかった理由を意欲だけで判断しない。 |
| 動画を見たが理解できていない | 疑問を1つ書く、短い確認問題に答えるなど、理解が見える課題を添える。 |
| 教員の準備が重い | 単元の一部から試し、教材の選定と授業内の課題づくりに必要な時間を見積もる。 |
| 家庭の支援を前提にしてしまう | 保護者に教員の役割を移さず、本人が学校で質問できる方法を設ける。 |
反転授業は試験対策と両立しない、と決めつける必要もありません。授業の目標と評価方法を対応させ、語彙・文法の確認と、それを使う練習を組み合わせられます。画面を使う場合は、視聴時間や教材の使い方も事前に伝えましょう。
4.英語の授業で試す:比較表現の練習例
以下は学習用に作成した小さな授業案です。反転授業の効果を実証した実験ではありません。
| 段階 | 活動の例 |
|---|---|
| 予習 | 比較級の短い説明を読み、This bag is lighter than that one.の意味を考える。 |
| 授業開始 | lightとlighterの違い、thanの後に比較対象を置くことを確認する。 |
| 授業中 | 2つの架空の商品について、値段・重さ・大きさの情報を使って比較し、どちらを選ぶか理由を説明する。 |
| 振り返り | 比較対象が明確か、形が適切かを確認し、1文を書き直す。 |
例:Bag A is lighter, but Bag B is cheaper.(バッグAの方が軽いですが、バッグBの方が安いです。)知っている形を使って情報を比べ、相手に選ぶ理由を伝える練習につなげられます。
対話の進め方を練習するなら:ハブルータの考え方と質問を作る練習