法律英語では、actionは訴訟、acquittalは無罪判決、arbitrationは仲裁を指します。Aから始まる78の法律・文書関連語を、訳語と使う文脈で確認できる一覧です。
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英語の法律用語には、米国、イングランド・ウェールズなど特定の法制度で使う語が含まれます。同じ英語でも意味が異なるため、日本の制度上の用語と常に一対一で対応するわけではありません。ここでは英語学習のための訳語の目安を示し、地域・分野に関わる補足を添えています。
一覧にはaccordinglyのような一般的な文書語、arbitrageのような金融語、古い土地譲渡文書の表現も含みます。契約や法令そのものを読むときは、その文書の定義と適用地域を合わせて確認してください。
Aの法律英単語1〜26:AbandonmentからAdverse possession
| 番号 | 英語 | 日本語の目安 | 使う文脈・注意点 |
|---|---|---|---|
| 1 | Abandonment | 放棄・遺棄 | 権利や財産の放棄、扶養等の文脈での遺棄など。何を放棄するかで意味が変わる。 |
| 2 | Abduction | 誘拐・連れ去り | 犯罪の文脈。kidnappingとの区別や成立条件は法制度による。 |
| 3 | Abovementioned | 上述の | 前に記載した対象を示す修飾語。above-mentionedとも書く。 |
| 4 | Abscond | 逃亡する・姿をくらます | 出頭や法的手続きなどを避けて逃げる文脈。 |
| 5 | Absolute | 絶対的な・無条件の | 権利や判断等の修飾語。後に続く語を含めて読む。 |
| 6 | Absolute discharge | 無条件の刑罰免除処分 | イングランド・ウェールズ等の用語。有罪であっても刑罰を科さない処分で、無罪判決とは異なる。 |
| 7 | Absolute owner | 完全な所有権を持つ者 | 条件付きの権利等と対比する表現。法律上の制限を一切受けないという意味ではない。 |
| 8 | Abuse of process | 訴訟・司法手続きの濫用 | 手続きを不当な目的・方法で使うこと。具体的な基準は制度による。 |
| 9 | Acceptance | 承諾・受諾 | 契約では申込みの承諾など。何に対するacceptanceかを確認する。 |
| 10 | Accessory | 犯罪を助ける者・従犯 | 犯罪への関与を表す語。行為の時期やaccompliceとの区別は法制度で異なる。 |
| 11 | Accomplice | 共犯者 | 犯罪に加担する者。日本法の共犯分類と一対一に対応するとは限らない。 |
| 12 | Accordingly | したがって・それに応じて | 結論や、それまでの事情に応じた行動をつなぐ一般語。 |
| 13 | Accused | 罪に問われている人・被告人 | the accusedで人を指す。訴追段階と資料の用法に応じて訳す。 |
| 14 | Acquit | 無罪とする | 動詞。acquit a defendantなど。 |
| 15 | Acquittal | 無罪判決・無罪の評決 | 単に拘束から解放するreleaseとは異なる。 |
| 16 | Action | 訴訟・法的手続き | bring an actionで訴訟を起こす。判決そのものではない。 |
| 17 | Act of God | 天災・自然現象による不可抗力 | 契約等で使う表現。すべての不可抗力と同義ではなく、条項の定義も確認する。 |
| 18 | Actual bodily harm | 実際の身体的被害・傷害(ABH) | イングランド・ウェールズの犯罪類型等。ごく一時的で些細な被害を超えるもので、「軽傷」だけに限定しない。 |
| 19 | Actus reus | 犯罪の客観的要素 | ラテン語。行為・不作為など、犯罪を構成する外形的要素を指す。 |
| 20 | Ademption | 遺贈の失効等 | 例えば特定の遺贈財産が死亡時に遺産に存在しない場合。単なる「遺言の撤回」とは分ける。 |
| 21 | Ad hoc | その特定の目的のための | ラテン語由来。ad hoc committeeは特定の目的のために設けた委員会。 |
| 22 | Ad idem | 同一の意思で・合意して | ラテン語。契約当事者の意思の一致などの文脈。 |
| 23 | Adjournment | 休廷・審理等の延期 | 会議の散会・延期にも使う。手続きの最終終了とは限らない。 |
| 24 | Adjudge | 裁判上判断する・言い渡す | 裁判所による判断・裁定を表す動詞。 |
| 25 | Admonition | 訓戒・警告 | 一般語にも、特定の司法制度上の処分名にもなる。 |
| 26 | Adverse possession | 所有者の承諾によらない占有と、要件下での権利取得制度 | 土地法の文脈。「不法占領」の一語だけでは制度を説明しきれない。要件は土地・地域で異なる。 |
Aの法律英単語27〜52:Adverse witnessからAnnuitant
| 番号 | 英語 | 日本語の目安 | 使う文脈・注意点 |
|---|---|---|---|
| 27 | Adverse witness | 相手方と利害を同じくする証人など | 不利な証人を指す手続き上の用語。hostile witnessとの関係や尋問の扱いは制度による。 |
| 28 | Advocate | 法廷で主張する法律家・擁護者 | 弁護士の職名としての用法は地域による。一般語では主張・支持する人や、その動詞にもなる。 |
| 29 | Affidavit | 宣誓供述書 | 宣誓の下で作成する書面による陳述。 |
| 30 | Affray | 暴力・威嚇による公共秩序への侵害 | イングランド・ウェールズでは通常の精神的強さを持つ人に安全への恐怖を生じさせる不法な暴力・威嚇等。単なる口論ではない。 |
| 31 | Aforementioned | 前述の | 既に述べた人・物・事項を修飾する改まった語。 |
| 32 | Aforesaid | 上記の・前記の | 前に述べた対象を指す、改まった文書表現。 |
| 33 | Age of consent | 法律上同意が認められる年齢 | 特に性的行為への同意の年齢で使う。対象事項・国・地域の法律により異なる。 |
| 34 | Aggravated assault | 加重された暴行犯罪 | 米国等の用語。武器や重大な傷害等の加重要件は地域による。 |
| 35 | Aggravated burglary | 武器の携帯等を伴う加重burglary | イングランド・ウェールズ等。burglaryは建物への侵入に関わる犯罪で、単なる「窃盗」と同じではない。 |
| 36 | Aggravated damages | 加重的損害賠償 | 英国等では行為態様により増した精神的被害等を補償するもの。懲罰的損害賠償と同義ではない。 |
| 37 | Aggravated vehicle taking | 加重された車両の無断持ち出し等の犯罪 | イングランド・ウェールズでは無断の車両取得等に、危険運転・人身被害・物損などが伴う場合の用語。 |
| 38 | Agricultural holding | 農業用の保有地・賃借農地など | 土地・農業賃貸借の文脈。農業を営む会社そのものとは限らない。 |
| 39 | Aiding and abetting | 犯罪の援助・教唆等 | 犯罪を助けたり促したりする関与。日本法の用語との対応は文脈で判断する。 |
| 40 | Airspace | 空域・土地の上空 | 国の領空のほか、不動産の上空を指す。土地所有者の権利が無制限に上空へ及ぶという意味ではない。 |
| 41 | Alias | 別名・通称 | 偽名の場合もあるが、必ず偽った名前という意味ではない。 |
| 42 | Alibi | 現場不在の主張・証明(アリバイ) | 犯罪発生時に別の場所にいたという主張や証拠。主張しただけで証明済みにはならない。 |
| 43 | Alienation | 財産・権利の譲渡 | 財産法での意味。一般語の「疎外・疎遠」と分けて読む。 |
| 44 | All and sundry | ありとあらゆる人・誰も彼も | 人々をひとまとめに示す一般的な慣用表現。 |
| 45 | Allegation | 申立て・申し立てられた疑惑 | 事実と主張されている内容であり、証明された事実とは限らない。 |
| 46 | Alleviate | 軽減する・和らげる | 苦痛や負担等を軽くする一般語。完全に解消するとは限らない。 |
| 47 | All that | 以下に記載する当該不動産等 | 古い土地譲渡文書等で物件の記述を導く句。日常のnot all that good等とは別の用法。 |
| 48 | Amalgamation | 合併・統合 | 会社・組織等を一つにすること。法律上の手続きは制度で異なる。 |
| 49 | Ambiguity | 曖昧さ・複数の解釈が可能なこと | 条項の意味が一つに定まらない場合など。必ず二つだけの意味とは限らない。 |
| 50 | Ambulatory will | 生前は変更・撤回できるという遺言の性質を表す語 | ambulatoryはこの文脈で変更可能の趣旨。歩行や通院の意味ではない。 |
| 51 | Amnesty | 恩赦・大赦など | 一定の犯罪・対象者に対する処罰等を免除する措置。範囲や効果は制度による。 |
| 52 | Annuitant | 年金・定期金の受給者 | annuityを受け取る人。公的年金だけに限定しない。 |
Aの法律英単語53〜78:AnnuityからAutopsy
| 番号 | 英語 | 日本語の目安 | 使う文脈・注意点 |
|---|---|---|---|
| 53 | Annuity | 年金・定期金/その金融商品 | 一定期間または生存中など、定期的に支払う仕組み。条件は契約による。 |
| 54 | Annul | 無効にする・取り消す | 婚姻や法的行為などを無効にする文脈。 |
| 55 | Ante | 前に・前記の | ラテン語。先に記された箇所を参照する場合など。 |
| 56 | Antecedents | 前歴・経歴・背景 | 刑事事件では前科等を含む人物の背景。常に前科だけを指すとは限らない。 |
| 57 | Appeal | 上訴・不服申立て/上訴する | 既に出た判断の見直しを求める文脈。最初に訴訟を起こすこととは区別する。 |
| 58 | Appellant | 上訴人 | 上訴を行う当事者。控訴人・上告人等の訳は手続きに応じて選ぶ。 |
| 59 | Appointee | 被任命者・被指定者 | 職務や権利の対象として任命・指定された人。 |
| 60 | Appointor | 任命権者・指定権者 | 任命・指定を行う者。信託等では文書が定める権限を確認する。 |
| 61 | Appurtenances | 付随する物・権利 | 不動産に付随する設備や権利など。日本法の「従物」だけに限定しない。 |
| 62 | Arbitrage | 裁定取引 | 市場間等の価格差を利用する金融取引。arbitrationとは別語。 |
| 63 | Arbitration | 仲裁 | 第三者の仲裁人が紛争について判断する手続き。合意形成を助ける調停と区別する。 |
| 64 | Arbitrator | 仲裁人 | 仲裁で判断を行う第三者。 |
| 65 | Arraignment | 起訴内容の告知・罪状認否の手続き | 被告人に起訴内容を示し、有罪か無罪かの答弁を求める法廷手続き。判決そのものではない。 |
| 66 | Arrest | 逮捕/逮捕する | 名詞・動詞。逮捕されたことと、有罪が確定したことは異なる。 |
| 67 | Arrestable offence | 旧制度の「無令状逮捕の対象となる犯罪」区分 | イングランド・ウェールズでは2006年の法改正施行で廃止された区分。現行の犯罪分類として扱わない。 |
| 68 | Arson | 放火 | 犯罪名としての成立条件・対象物は法制度による。 |
| 69 | Articles | 条項・規約など | articles of associationなら会社の定款。後に続く語と文書の種類で意味を選ぶ。 |
| 70 | Assault | 暴行・不法な有形力への脅威等 | イングランド・ウェールズ等では身体に触れなくても成立し得る。日常語や各国の犯罪名との違いに注意。 |
| 71 | Asset | 資産・財産 | 複数形assetsもよく使う。有形・無形の財産を含み得る。 |
| 72 | Assurance | 保証・確約/生命保険等 | 英国のlife assuranceなど。古い財産法の文書では権利の移転・確保に関わる用法もある。 |
| 73 | Assure | 保証する・安心させる/古い財産法では譲渡する | 通常のassure someone that …と、土地譲渡文書等での古い用法を分ける。 |
| 74 | Assured | 被保険者・保険による保障を受ける者など | 保険文書の用語。契約者・被保険者・受取人のどの立場かは定義を確認する。 |
| 75 | Attest | 証明する・立ち会って証する | 署名の立会いなどで真正を証明する文脈。 |
| 76 | Attorney | 弁護士/権限を与えられた代理人 | 米国では弁護士の意味が一般的。英国のpower of attorneyの代理人は必ずしも弁護士ではない。 |
| 77 | Audit | 監査/監査する | 会計記録などを検証すること。一般のcheckより正式な検証を指す文脈。 |
| 78 | Autopsy | 死体解剖・解剖検査 | 死因等を調べるための解剖。死体の検視・死後調査の全体と同じではない。 |
取り違えやすい法律英語の違い
| 語の組み合わせ | 違い |
|---|---|
| action / judgment | actionは訴訟・法的手続き、judgmentは裁判所の判断・判決。訴訟を起こすことと、判断が下ることを区別する。 |
| acquittal / release | acquittalは無罪の判断、releaseは釈放など拘束からの解放。釈放されたという文だけでは、無罪判決を受けたことまでは分からない。 |
| arbitration / mediation | arbitrationは仲裁人が判断する仲裁。mediationは第三者が当事者の合意形成を助ける調停。仲裁判断の拘束力等は制度や合意による。 |
| aggravated damages / punitive damages | 英国等のaggravated damagesは、悪質な行為態様により増した精神的被害等を補償する性質。punitive damagesは懲罰を目的とする損害賠償で、同じ意味にはしない。 |
| assault / battery | イングランド・ウェールズでは、差し迫った不法な暴力を予期させるassaultと、実際に不法な有形力を加えるbatteryを区別する。用語の範囲は国・地域で異なる。 |
| attorney / agent | 米国のattorneyは通常、弁護士。英国のpower of attorneyに基づくattorneyは代理権を与えられた人で、弁護士資格を必ず意味するわけではない。 |
古い資料で特に確認したい3つの表現
arrestable offenceは、イングランド・ウェールズの旧法で使われた犯罪区分です。2005年法による逮捕権の変更が2006年1月1日に施行され、この区分による仕組みは廃止されました。古い語彙集の説明を、そのまま現在の逮捕要件として読まないようにします。
All thatは、古い土地譲渡文書では物件の記述を導く表現です。一方、日常のnot all that difficultは「それほど難しくない」。同じ語の並びでも、文書と構文で意味が変わります。
assureも、古い財産法の「譲渡する」という用法と、日常の「保証する・安心させる」を分けます。法律語彙集に載っている訳を、すべての英文に当てはめることはできません。
ニュース・文書の読み方を練習する例文
以下は記事用に作成した学習例文です。実際の事件や契約からの引用ではありません。
| 英文 | 日本語訳 |
|---|---|
| The company brought an action against the supplier. | その会社は供給業者に対して訴訟を起こしました。 |
| The trial ended in an acquittal. | その裁判は無罪判決で終わりました。 |
| The parties agreed to arbitration. | 当事者は仲裁に合意しました。 |
| The court granted an adjournment. | 裁判所は審理の延期を認めました。 |
| The report contains an allegation, not a finding of fact. | その報告書に含まれるのは申し立てであり、認定された事実ではありません。 |
| The meaning of this clause is ambiguous. | この条項の意味は曖昧です。 |
参考資料
Sentencing Council:absolute discharge
CPS:assault・battery・actual bodily harm
CPS:窃盗法上の犯罪・aggravated burglary
英国最高裁判所:aggravated damagesの補償的性質(George v Cannell)
Sentencing Council:aggravated vehicle taking
HM Land Registry:adverse possession