【逆境にある教育】子供への罰則、ご褒美、自己決定について考える

不登校支援と教育

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1.罰についての問題 

子供たちが行動を起こす場合、たとえ結果が悪いことだと理解していたとしても、罰よりも利益の方が大きいと言う計算が働くために歯止めが利かなくなる。

そういった子供の問題行動を無くすために、大人はより罰を重くしようとする。 

しかしこの罰則の強化が効果を発揮するのは、子供たちがその「行動」を悪い行いだと理解している時のみである。 

神経生物学の研究によって分かっているのだが、若者の行動は多くの場合理性に基づいておらず、理性とはかけ離れた感情や精神の影響を受けている。 つまりいくら罰則を厳しくしたところで、若者にとっては意味が無いのである。

こうした理性とはかけ離れた行動を繰り返す生徒を学校では、「規律を守らせる」ことを強制する。しかし、本当の問題は彼らが、セルフコントロールを発達できていない点である。いくら罰則を厳しくしたところで、理性で動いていない彼らにとっては、罰則は抑止力にはなりえないのだ。  

2014年にケンタッキー州で17000人を対象として行われた研究によると、罰則が厳しいクラスにおいて、停学処分が多ければ多いほど、残った生徒の成績は悪くなると結果が出た。厳しすぎる罰則は、問題児をクラスから処分することは出来るかもしれないが、残った関係のないクラスメイトにも悪影響があるということも発見されている。

2.ご褒美(インセンティブ)プログラム 

では罰則の反対のご褒美を与える事は効果があるのだろうか??

アメリカの公立学校で行われた報酬を与える実験では、ほぼすべてのケースにおいてまったく効果が無かったと結果が出た 

例えば、PTAの会合に参加した保護者、本を読んだ生徒、生徒の成績による教師への報酬。子供達への報酬として携帯を与えるなど、全部で数百万ドルが使われたこの実験は、なぜ失敗したのか? 

普通の人はこう考える。逆境にいる子供たちほど、より良くなりたいと思う重要なインセンティブがあるはずだと。より多くの収入を、よりよい学歴を、より安定した家庭を、と。 当然若者たちはこう望んでいるはずなのだ。。 

なのにだ、こんな環境で育った子供たちほど重要な進路の分かれ目において、自分の利益を得られる道とは反対の道を選んでしまう 

自らゴールとは反対方向に走り出すのだ。 

なぜ? 

3.「自己決定理論」 

1970年代、かつての考え方として、人間の行動は生物学的な必要を満たすために、なされるので、報酬と罰に敏感に反応してしまうと言うものがあった。

これに反して、人間の行動は表面的な結果を求めるのではなく、その行動によって得られる内面的な楽しみや意義を動機とすると唱えられた。

これを現在は「内発的動機付け」 と呼んでいる。外からの刺激でモチベーションを保つのではなく、自らの意志からくる、内なるモチベーションが大事だとする考え方だ。

内発的動機付けを育むために大事なことは、罰則の強化でもなく、ご褒美の種類でもない。

子供たちの自己認識を変える教育が必要になる。

4.グリッドのある人間(粘り強さ)

教師や社会一般的に望む、粘り強い人間を育てることは基本的には容易ではない。むしろ難しい。しかし、大事なことは粘り強い人間ではなくても、粘り強い人間であればどんな行動をするかを考える事。

まるで自分が粘り強い人間であるかのように振る舞うことが大切である。 

そうするために重要な事は、子供たちの姿勢と自己認識だ。

大事な4つの信念(マインドセット): 

1.あたしはこの学校に所属している(所属) 

2.私の能力は努力によって伸びる(努力) 

3.私はこれを成功させることが出来る(成功) 

4.この勉強は私にとって価値がある(目的) 

当然逆境にある多くの度も達はこれらを信じることが出来ない 

例えば有害なストレスにさらされて育った子供達であれば、過敏な闘争・逃走反応を起こしやすい。暴力的な家庭においては必要な適応かもしれないが、学業においてはあまり役に立たない。 

内発的動機付けと4つのマインドセットを考慮すると、大事なことが浮かび上がってくる。「帰属意識」と「勉強」に関してだ。 

  • 「帰属意識」:自分がこの場所で歓迎されている、もしくは価値を認められていると感じることが出来る場所 
  • 勉強」:出来るかできないかのギリギリが大事。出来なさそうで、努力して成功したという経験が大事 

子供たちが本当に力を発揮する時は、こう思うとき。「自分は重要な活動をしているのだ。深く、手ごわく、やりがいのある活動をしているのだと。」 

罰則やご褒美ばかりに目を向けるのではなく、こういった子供達ひとりひとりが勉強を楽しいと心から思える環境づくりが、今の大人たちに要求されている。

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