長文中のitやtheyが何を指すかは、数・文法上の役割・文脈を合わせて判断します。直前の名詞だけに決めつけず、単数のthey、何も指さないit、前の内容全体を受けるthisやwhichも区別しましょう。
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代名詞の参照先を探す3つの手順
まず、その語が主語・目的語・所有を表す形のどれか、文中での働きを確認します。次に、数や意味が合う人・物・事柄を候補にします。最後に候補を代名詞の位置へ戻して読み、前後の内容がつながるかを確かめます。
近くの名詞から探すのは有効ですが、「必ず前にある」「最大2文前まで」という決まりはありません。直前の文に適切な候補がなければ段落の話題や後ろの説明まで範囲を広げます。文だけでは一つに決められない場合もあります。
形と働きを確認する7つの観点
| 番号 | 形 | 確認する内容 |
|---|---|---|
| 1 | it | 単数の物・不可算名詞・事柄など。何も指さない用法もある |
| 2 | they / them | 複数の人・物。単数の人を指す用法もある |
| 3 | he / him / she / her | 文脈上の人物を確認する。名前だけで参照先を決めない |
| 4 | his / her / their / theirs | 所有を表す形は、後ろに名詞を置く形かどうかも確認 |
| 5 | this / that | 物・事柄・前の内容などを指す。後の説明を導くこともある |
| 6 | which | 関係代名詞なら名詞や前の節全体など。疑問詞の用法と区別 |
| 7 | it is … to / that … | 後ろの内容を先に受ける形式主語の可能性を確認 |
theyは単数の人を指していても、they are・they haveのような動詞の形を使います。heやsheは文章内で誰に用いられているかを確認し、名前や職業から推測するだけで決めません。hisはhis bookとThis is his.の両方で使えますが、theirとtheirsは区別します。綴りはtheirsです。
例文で参照先と文法上の役割を確認する
- 単数の物・不可算名詞を受けるit
I bought a notebook. It has a blue cover.
The water is cold. Do not drink it yet.前者のItはa notebook、後者のitはthe water。itの候補は、数えられる物一個だけでなく不可算名詞にもなる。
- 単数の人を受けるthey
Someone left their umbrella. They may come back for it.
theirとTheyはSomeoneが指す一人の人、itはその傘。このtheyを見て、必ず複数人を探す必要はない。
- 前の内容全体を受けるthis / that
The train was cancelled. This delayed our arrival.
The library will open on Sundays. That is good news.前者のThisは電車が運休したこと、後者のThatは日曜に図書館が開くこと。直前の名詞だけでなく、述べられた出来事を受ける。
- 前の節を受けるwhich
The train was cancelled, which delayed our arrival.
whichは「電車が運休した」という前の節の内容を受ける。関係代名詞のwhichと、別の文の主語になるThisは文のつなぎ方が違う。
- 何も指さないit / 形式主語のit
It is raining.
It is important to read the instructions.前者は天気を述べる非人称のitで、特定の物を探さない。後者は形式主語で、重要なのは後ろのto read the instructionsの内容。
- 後ろに参照先が現れる場合
Before she opened the door, Maya checked the address.
この文のsheは後ろに出るMayaを指す。参照先が代名詞より前にある場合だけではない。
- 所有を表すtheir / theirs
Their bags are here. These bags are theirs.
theirはbagsの前に置く形。theirsは「彼ら・彼女らのもの」と名詞を伴わずに使う。herは所有のほか、I saw her.のように目的語の用法もある。
- 文だけでは決められない場合
I put the book in the box because it was wet.
濡れていたのが本か箱かは、この文だけでは確定しにくい。読むときは前後の文脈を確認し、自分で書くならthe bookなどの名詞を繰り返して明確にする。
this、that、whichをすべて同じ文法として置き換えることはできません。特に、前の節全体を受ける関係節はwhichで導きます。疑問文のWhich do you prefer?は、前文の名詞を受ける関係代名詞ではなく、選択を尋ねる疑問詞です。
4問で確認:何を指しているか
1.The chairs were new. They were comfortable. のTheyは何ですか。
2.Someone called, but they left no message. のtheyは必ず複数人ですか。
3.It is cold today. のItに対応する、直前の物の名詞が必ず必要ですか。
4.Our team won, which surprised everyone. のwhichは何を受けますか。
答え:1.The chairs。2.いいえ。Someoneが指す一人を受けられます。3.いいえ。天気・気温を述べるitです。4.私たちのチームが勝ったという内容です。
例文・訳・問題は学習用に作成しました。解答の根拠を「この名詞が近いから」だけにせず、数・役割・意味が合う理由まで説明すると復習しやすくなります。
文法を確認した資料
出典:Cambridge Grammar:文全体を受けるwhich
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