ハイエナって女性社会だってご存じですか?
ディズニーのライオンキングとかを見てると分かると思うのですが、ハイエナのボスみたいなやつはメスだったですよね?(うろ覚えですみません。)
今回はそんな女性がヒエラルキーを牛耳るハイエナの社会を考察し、メスのハイエナの偽陰茎(pseudopenis)ついて解説していきます。
1.なぜハイエナのメスは偽陰茎を発達させたのか?
ここからpseudo-penisの解説をしていきます(私が動物行動学の授業で習った内容を基にしています)
ちなみに、pseudo-penisの「pseudo」は「偽」、「penis」は「陰茎」という意味です。
上記で説明した通り、ハイエナの世界はメスがオスを服従させる社会構成になっています。偽陰茎は多くの哺乳類の場合はただの飾りで役割を持たないのです。
しかし、ハイエナのメスの場合偽陰茎を使い、社会を円滑に回しているのです。
例えば:
- 排尿(urination)
- 交尾(sexual intercourse)
- 出産(childbirth)
偽陰茎は上記のような役割を持っている為、メスが交尾に対する支配権を持っています。
さらに、メスのハイエナは純粋にオスよりも攻撃的であり、大人のメスは若いオスを服従させます。
では、どのように偽陰茎は発達したのでしょうか?
最初は、
- 豊富なテストステロン(testosterone)
により偽陰茎が発達したのではないかと言われていますね。だから、ハイエナのメスは攻撃的なのかもしれません。
しかし、これまでの動物行動学の記事で紹介してきたように子孫を残すために有益でない行動を動物達はほとんど取りません。
なぜ、偽陰茎はこれまでの長い歴史の中で淘汰されなかったのでしょうか?
理由は二つ:
- 適応値(adaptive value)
- 淘汰値(selective value)
つまりは進化論的に偽陰茎は子孫繁栄に好影響があったので、淘汰されなかったという事です。
例えば、偽陰茎がテストステロンの量を示すのであれば、メスの偽陰茎がある方がテストステロンがあることの証になり、さらにテストステロンが多ければ、より攻撃的になりますよね。
結果的に、より攻撃的なメスが群れを支配するようになるので、そのメスの子孫も攻撃的なDNAを受け継ぎます。
したがって、偽陰茎が発達するDNAは脈々と受け継がれてきて、衰退しなかったと考える事が出来るんですね。
偽陰茎は子孫の為だけだは無く、コミュニケーションのツールとしても機能しているようです。
例えば、
- ガ(moth)の耳は天敵であるコウモリ(bat)の超音波(ultrasound)を聞き分けることが出来ます。
- ダニ(mite)のメスはオスがメスの気を引くために出す振動(vibration)に敏感です。
このように、子孫を残せる確立を上げる為に動物の昨日は環境に順応しているのです。
つまりは、ハイエナのメスの偽陰茎も群れ内でのコミュニケーションで使われ、自分の子孫が生き残れるように進化していったのかもしれませんね。
では、動物達は元も超音波や振動に敏感だったのでしょうか?
それとも、オスが栗菓子振動を出すから反応するようになったのでしょうか?
2.動物達はどのように環境に適用するのか?
仮説1:
- メスは元々振動に敏感である。
仮説2:
- オスが振動を頻繁に使うのでメスは振動に敏感になった。
鶏が先か卵が先か?
分かりません。。。
他にも、
- メスがオレンジに引き寄せられる魚がいました。そうすると、次第にオスはオレンジ色になっていきました。
これは、おそらくオスが自らの意志でオレンジに色を変えたのでがなく、メスが好んでオレンジ色のオスと子孫を残してきたのでオレンジのDNAだけが受け継がれるようになったからだと私は思います。
カエルはもっと面白いです。
- カエルのオスはメスの気を引くために、天敵にも聞こえるような鳴き声を出します。
自分が捕食されるリスクがある鳴き声ですが、それでも死ぬリスクよりも子孫を残す確率の方がまだ高いのでこの行為を続けているのです。
part3で説明したように全ては、コスト&ベネフィットなのですよ。
動物達の環境への順応は目を見張るものがありますね。
3.まとめ
今回は動物行動学の社会性について解説をしました。次回も動物行動学の細かい分野について書いていきますね。
乞うご期待!
動物行動学シリーズ